2005年度総会記念講演
「大学院の多様化とその役割」
〜地域に精通したMBA(経営修士)教育の実践を通して〜
井原 理代(香川大学地域マネジメント研究科長)
【1.はじめに】
ご紹介をいただきました、香川大学の井原でございます。
本日は、私達の大学院に関して話をする機会を頂戴し、ありがたく思っています。
私達の大学院の開設趣旨は、地域に精通したMBA養成であり、国際人権大学院大学の目指される分野とは異なっておりますことから、お役に立つ話ができるか心もとない思いでしたが、以下の3点のことを考えお引き受けしました。
その一つは、地域に根ざした私達の大学院の在り方に関心を持っていただいたことをうれしく思うとともに、私達が地域にこだわり、その活性化の教育研究拠点を目指した取り組みは、分野は異なりますが「人権」に焦点をあて、その教育研究拠点を目指しておられるこちらの大学院大学の構想に、お役に立つかも知れないと思ったこと。
二つ目は、こちらの大学院は夜間ということですから、基本的には社会人を対象にしていると拝察します。私達の大学院は昼夜開講制ではありますけれども、実際は、働きながら学ぶ学生さんたちが大半です。その熱心さに日々感心しておりますので、そういった社会人を対象にした大学院の意義を改めてお伝えしたいと思ったこと。
そして三つ目は、私たちの大学院の形態である専門職大学院は、昨年、2004(平成16)年4月からわが国で導入されることになりました高度専門職養成に特化した大学院ですので、まさに導入期です。いろいろな分野で普及しつつありますし、それが固有の役割を果たせるものと思っていますけれども、未だまだ大学と言えば学部という認識の中で、こんな大学院もあるのだということを話させていただければありがたいと思った次第です。
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