国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議
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1.はじめに
2.香川大学大学院地域マネジメント研究科設立の経緯
3.香川大学大学院地域マネジメント研究科の概要
4.香川大学大学院地域マネジメント研究科の特徴
5.学生の状況
6.やりがいと今後の課題
7.国際人権大学院大学設立に向けての期待

【7.国際人権大学院大学設立に向けての期待】

 少しこちらで取り組まれている大学院について私なりの、ほんとに拙い表現で期待を申し上げたいと思います。
 もとより、私は人権に関わることを専門にしているわけではありませんで、不勉強を恥じつつなのですが、若干人権に関わることとして男女共同参画の取り組みに関わってきた経験があります。その経験を通して私が思うのは、次のようなことです。
 男女共同参画の実現、あるいはその女性の人権を尊重した男女の真の平等はまだ実現していないというふうに考えています。
 例えば、今年度つい先ごろ出された『男女共同参画白書』を見ると、2004(平成16)年度の調査で、男女協同参画を測る指標として「性別役割分業意識」、いわゆる夫は外で働き、妻は家庭を守るべきかどうかについての調査結果がありまして、初めて反対が賛成を上回ったと新聞でかなり出ていました。とは言え、45.2%の方がやはりこれに「賛成」で、つまり性別役割分業に4割を超す方が賛成だというのが現実の数字ですし、男性は依然賛成の方の割合が多いという結果です。あるいは、女性の就業意識に関する調査では、「子どもができてもずっと働き続けるほうがよい」、よくいわれる継続就業支持なんですが、継続就業支持と「子どもが大きくなったら再就職するほうがよい」という一時中断再就職支持の割合についても、初めて継続就業支持が上回ったということです。しかし、これも「子どもが大きくなってからもう一度働いたほうがいい」という方が37%。やっぱり4割近い方はそれがいいということで、男性も女性も等しく、同じような条件の中で働くことをみんなが認めている、そういう社会ではないと言えるかと思います。
 それで、例えば男女共同参画の状況、女性の人権ということ一つを取ってみても、まだまだその実現には遠いと考えると、恐らくこの人権を巡る様々な課題に様々なアプローチで取り組んでそして検討すべき役割は実に大きいのではないかと思っています。
井原理代さん とりわけ、私のかなり個人的感想かもしれませんけれども、この男女共同参画の実現のためには、ある一つの切り口、あるいはある一つの視点からそれが実現されるわけではなく、恐らく深い社会構造そのものを多面的に切っていかなければいけない。即ち意識・価値観・教育・法制度・働き方・家庭と仕事の在り方等々、女性の人権の尊重が男性と等しく人々や社会の中に根付くまでに取り組むべき課題は実に多いのではないかと思っていまして、その課題を解決するのには、多面的・総合的な取り組みが必要であろうと思います。その意味では、私達が地域の抱える様々な課題に多面的・総合的に取り組んでその振興あるいは活性化を求めたい、そして、その中心的な担い手養成を目指していることと、もしかしたら同じ道筋にあるのかもしれないと思うところです。
 従って、どうか皆様におかれましては人権に焦点を当てた大学院構想を進められ、様々に厳しい課題のある人権問題に対して、大学院の組織全体で、多様・多彩な研究アプローチ、あるいは理論と実践の双方からのアプローチで人権の尊重とそれに基づく社会の実現のための教育研究の拠点となって、且つ、その実現の中心的な担い手を養成していただきますことをご期待申し上げたいと思います。
 現代社会の抱える課題、それに対して鋭く、熱く認識をしまして、仕事をしながらでも熱心に学んでいこうという社会人の方々は実に多いというふうに思っております。
 私達は教員と、学生と、さらに社会を挙げて地域の豊かさを求めて精一杯がんばっていきたいと思っておりますけれども、どうか皆様にも人権尊重の心豊かな社会づくりのために取り組んでくださることを祈念申し上げまして、私の話とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

 (文責:事務局)

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