国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議
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1.はじめに
2.香川大学大学院地域マネジメント研究科設立の経緯
3.香川大学大学院地域マネジメント研究科の概要
4.香川大学大学院地域マネジメント研究科の特徴
5.学生の状況
6.やりがいと今後の課題
7.国際人権大学院大学設立に向けての期待

【2.香川大学大学院地域マネジメント研究科設立の経緯】

 まず、私達の大学院開設の経緯から話させていただきます。その発端は、皆様ご承知の国立大学の法人化を前にした大学学部改革の検討にありました。その法人化には、大学の自主的・自立的な運営を実現し、個性的な発展を図ることが求められていますけれども、実はそれまでそういう準備がほとんどありませんでしたから、率直に申し上げて、非常に驚きながらの取り組みでした。
 香川大学経済学部は、旧高商を前身として、旧高商は大正年間に地域ごとに創設されたいわゆる高等商業学校ですけれども、その地域における経済・経営の研究拠点であると同時に、実学を非常に特徴とする教育をしてきました。
 としますと、地域における経済・経営の教育拠点を実学的な観点からというところに焦点を当て且つそれを強化してはどうか。折りしも、地方分権あるいは地域の自立が迫られている中だとすれば、そういうことに特化した大学院が必要なのではないかという議論に立ち至りました。
 そこで、私達は、専門職大学院というのはある特定の目的に対して、非常にいろいろと制約条件もあるけれども、取り組みやすい形態ではないかと判断し、専門職大学院構想に取り組んだ次第です。

 その専門職大学院のことについて少し触れさせていただきます。
 そもそも専門職大学院は2002(平成14)年8月に中央教育審議会から「大学院における高度専門職業人養成について」の答申において、わが国で初めて設立された新たな大学院の形態と申し上げてよいと思います。この答申に従い、法整備が同年秋の臨時国会で行われ、翌2003(平成15)年3月には大学設置基準及び大学院設置基準が改正され、合わせて専門職大学院設置基準が制定されました。
 総じて、わが国の大学院は従来何よりも研究者養成のため発展してきたわけですが、近年、時代や社会の要請に応じ、専門職とりわけ高度専門職を重視するようになってきています。それまで研究大学院とは別に専門大学院という制度もありましたが、この専門職大学院によって本格的な高度専門職を養成する大学院の制度化が図られたと思っています。
 これに対し、アメリカの大学院は基本的に研究大学院と高度専門職養成の為のプロフェッショナルスクールに分かれており、学位も学術と職業の2種類からなっているのが一般的です。アメリカ的な大学像は、学部は幅広い教養教育と基礎的な専門教育の場であり、大学院では高度な専門教育あるいは職業教育を役割としていると申し上げていいかもしれません。その中で、職業学位とそれを授与するプロフェッショナルスクールの整備が進み、それを代表するのが弁護士あるいは裁判官を養成するロースクールとか、ちょうど私達の学位に相当するMBA、ビジネスリーダーを養成するビジネススクールといったものが一般化され、且つ、そういった学位の取得者が社会の中で活躍している状況が見受けられます。

 このような専門職大学院の特徴は、次の5点に集約できるのではないかと思います。
 第1点は、独自の学位、専門職学位という学位を授与すること。
 2点目は、専門分野に関して、高度な教育上の指導能力があると認められる専任教員を配置すること。その延長上で相当数の実務家教員を任用すること。
 3点目は実践的な教育を行えるように、事例研究であるとか、ディスカッション、フィールドワーク等々の授業を取り入れること。
 4点目は研究大学院とは異なりますので研究論文を義務づけず、密度の高いコースワークを重視すること。
 5点目は定期的に第三者評価機関の適格認定を受けなければいけないこと。
 こういった特徴を持つ大学院は、従来の大学院とは異なり目的に応じて効果的な教育研究と人材養成が可能になりますので、実に様々な専門職大学院が生まれつつある状況です。

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