2008年度総会記念講演
「世界、とくにアジア太平洋地域の大学における「人権プログラム」の特徴と意義
〜学際的・国際的・職業横断的な人権研究・教育ネットワークを築く試み〜」
阿久澤 麻里子さん(兵庫県立大学 准教授)
【1.プロローグ】
今日は「世界、とくにアジア・太平洋地域の大学における「人権プログラム」の意義と課題」ということで、お話をさせていただきたいと思います。
1990年代以降、世界では、人権についての専門的・体系的な教育・研究を行い、修了者に「人権」を冠した学位(修士・博士)を授与する大学院教育プログラムが数多く開設されてきました。今日「人権プログラム」とは、こうした教育・研究プログラムを指しています。世界には、現在把握できるだけでも、100近いプログラムがあり、今も増え続けています。こうしたプログラムの一覧を提供してくれるサイトなどもありますから、こうした数がわかります。私たちが元にしたリストは、英語で提供されている人権プログラム(インターナショナル・プログラム)を中心に紹介しているサイトでしたので、現地語で行われているものをすべて含めたら、その数はもっと多いと思います。そして英語によるものを中心に97のプログラムをまとめたダイレクトリーを作成しました。みなさまのお手元にあるものです。また、お手元にはもう一つ、資料として『部落解放研究』10月号に掲載される論文が資料として配布されていると思いますが、「人権プログラム」の特徴をかいつまんで紹介しています。
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