国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議
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1.プロローグ
2.「人権プログラム」とは
3.調査・研究の目的及び方法
4.「人権プログラム」開設状況
5.アジア・太平洋地域の「人権プログラム」
6.その特徴と意義
7.インターナショナル・プログラムの課題

【5 アジア・太平洋地域の「人権プログラム」】

  私たちが把握しているアジア・太平洋地域の人権プログラムは、表2にまとめています。オーストラリア・香港・インド・ネパール・タイの、英語で実施されているインターナショナル・プログラムのみを表記しています。これ以外には、北京大学には中国語の人権プログラムがあります。いずれインターナショナル・プログラムにしたいという話を担当者から聞きましたが、まだのようです。これはスウェーデンのルンド大学のRWI、ラウル・ワーレンバーグ・インスティチュートという国際人権法の有名な研究機関が支援しています。また、台湾には東呉大学に、やはり中国語の人権プログラムがあります。中国語話者の多い北東アジアでは、中国語のプログラムは実は重要です。さらにもう1つ言い忘れましたが、タイのマヒドン大学は英語のプログラムから始めましたが、数年前からタイ語だけの人権プログラムも開始しました。現地の草の根のニーズに応えるためです。

 ちなみに、オーストラリアのカーティン工科大学とは、私の勤める兵庫県立大学との間に学術交流協定があるので、私も実際に訪問して授業を受けるなどしてみました。オーストラリアには、そのほか、モナシュ大学、シドニー大学が人権プログラムを持っています。

 オーストラリアは日本のように700を超える大学がある国ではありません。基本的には国立・州立大学が三十数校ある程度です。どこの大学もいま、留学生あつめによる生存戦略をたて、必死にやっていますが、中でも、このシドニー大学というのはトップ大学です。香港大学もインドのカルカッタ大学(ノーベル賞をもらったアマルティア・センを輩出しました)も同様です。たいへん嫌な言い方をすると、いわゆるトップの大学の人権プログラムがエリートのためになっていないかという反省をすべきかもしれません。もう1つは、世界的な大学改革の中では、トップの大学に国も予算をつぎこみ、研究を重点化して、世界の競争に生き残ろうという方向が強まっていますので、人権プログラムが強者のための学習機会になってしまわないように、考える必要があると思います。

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